大衆映画食堂

昭和の日本映画に登場する食べ物たちの記録

『関東やくざ嵐』屋台のおでん、飯場のまかない飯、賭場のまかない飯


関東やくざ嵐

大正時代、開発が進みつつある京浜工業地帯。梵天組の尾形菊治(鶴田浩二)は対抗組織である星住組の組長の娘・お絹(桜町弘子)と恋仲であったが、襲撃事件の報復として星住組組長を殺害し、刑務所に入った。6年後、菊治が網走から出所してくると梵天の亀吉親分は跡目を代貸天知茂に譲って病に伏せており、お絹は行方知れずとなっていた。菊治は亀吉親分の紹介で横浜で土建業を営む丸高組の小頭になり、川の護岸工事の現場で働きながらお絹を探すことに。しかしお絹は桜木町の料理屋の女中となっており、さらには天知が彼女を借金で縛って無理矢理女房にしようとしているのだった。


オーソドックスな任侠映画であるが、ネットリせずハイテンポな進行とサッパリした登場人物の気性によって快適に鑑賞できる。
菊治が居候する車屋(タクシー屋)には藤山寛美が住み込んで働いている。菊治の居室内(彼の服役中もそのままにされていた)にはよく見ると将棋盤が置いてあるのだが、藤山寛美が怪我をしたときに着ている浴衣の柄が将棋の駒の柄。あの将棋盤は実は藤山寛美のものなのだろうか。

┃ 屋台のおでん

菊治の行きつけは、遠藤辰雄おでん屋台。おでんはグラグラ煮えているだけで実際に食べる場面はないが、この屋台自体は出所後すぐと高丸組に入ってからの2度登場する。

┃ 飯場のまかない飯は白いご飯とタクアンとめざし

丸高組の飯場で出されているまかない飯白いご飯とタクアン、めざし。現場責任者の妹で同じく飯場で働いている宮園純子がごはんをよそってくれる。

┃ 賭場のまかない飯はうどんとおにぎり

菊治が新山組の賭場に行ったとき、新山の若い衆がモグモグしているまかない飯うどんとおにぎり。うどんは具が何も入っていない男らしいもの。客出し用のメニューは特に登場しなかった。

┃ キリンビール

なお、作中に登場するビールの銘柄はキリン。