大衆映画食堂

昭和の日本映画に登場する食べ物たちの記録

『日本一のゴリガン男』サントリー提供のビール・ジュース、浄水器の水

日本一のゴリガン男 [DVD]
日本一のゴリガン男

出張中に上から鉄骨が落ちて来て入院した日本等(ひのもと・ひとし=植木等)は頭の手術で頭がスッキリ、半年の入院を経て出社するが、彼の勤めていた会社は倒産してビルを引き払っており、いまは東南商事という会社が入っていた。東南商事もまた業績悪化で人員削減に追われていたが、日本は固定給ナシで利益を折半するという条件で東南商事営業部にデスクを借り、勝手に営業活動をしはじめる。まずやったのは代理店相手の接待宴会コーディネート。船橋ヘルスセンターに場所を借り、飲み物は飲料会社にスポンサーになってもらっての持ち込み、子連れ客には遊園地に入ってもらってその入場料でも利益を上げetc...で例年の半分の経費で宴会を大成功させる。そんなこんなで日本の営業活動はブワァーと実を結びまくって……


日本一シリーズのサラリーマン映画。
舶来の自己啓発系ポジティブシンキングが胡散臭く感じられるが、この映画のような明るく楽しい東宝映画的ポジティブシンキングには心がウキウキする。頭を使って意外な営業方法を編み出し、最後には自分の会社まで売ってしまう営業マンの大活躍に引き込まれ、「よーし自分もいっちょがんばるか!」と思わせられる。ミュージカルシーンも楽しい快速娯楽映画。

┃ サントリーのビールやジュース

植木等船橋ヘルスセンターでやる宴会のためにスポンサー契約(宣伝をする代わりに飲料の無料提供)を取り付けたのがサントリー。とは言っても、サントリーの人がトラックいっぱいにビールやジューズを積んで納品にきたのを、「看板や背広の背中のプリントでサントリーの宣伝をするから!」と言って無償提供に切り替えてもらったのである。

┃ 浄水器の水、うなぎ、謎のお茶

上司・石亀が嫌がらせに植木を派遣した先、オルガモン商会。ここは浄水器や大規模浄水システムを製造販売している会社である。
植木はさっそく浄水器を携えてウナギ屋へ。ウナギ屋ではいけすに入れているうなぎを注文にあわせて(弱って死にそうなやつから)さばいているが、植木はウナギが弱るのは水道水に含まれるカルキにやられているからだと説明。死にかけのウナギを持参した浄水器で濾過した水につけてやると、驚くべきことに白い腹を見せていたウナギたちがピンピンに蘇ったのである。もちろん店主は浄水器を気に入って購入。
次に向かったのはプリンスホテル。厨房でチーフコック・田中邦衛に面会した植木は、紅茶やコーヒー、水割りがおいしくなりますよと言うが、田中は「じゃあこの水を浄化してみろ」と番茶の出がらしのような水を差し出す。浄水器を通すと透明の綺麗な水に変わり、それをグビリとやった植木に田中が一言、「それ俺の小便」。しかし田中も無理矢理それを試飲させられて機能に納得?する。
そして最終的には超大口契約、中東の産油国・アラジニア共和国に海水を真水へ浄化するシステムの契約を取り付けるのであった。

┃ サントリーのウィスキー

なお、作中で登場するナイトクラブで供されるウィスキーはもちろんサントリー