大衆映画食堂

昭和の日本映画に登場する食べ物たちの記録

『決着(おとしまえ)』定食の山盛りごはん


決着(おとしまえ)

浅草を縄張りとするテキヤ・関東秋葉一家は黒田興業と対立していたが、その小競り合いがもとで若衆・武(谷隼人)が刺殺されてしまう。親分(嵐寛寿郎)は長い間ムショに入っていた辺見(大木実)の出所を機会に組を解散し、仲の良い兄弟分の弟・五郎(梅宮辰夫)はストリップ小屋の照明係に、兄・鉄次(吉田輝雄)は自動車修理工場に就職。鉄次は武の妹が食堂で働いていることを知り会いに行くが、黒田興業のチンピラたちに見つかって喧嘩を売られ、工場をクビになってしまう。一方、秋葉親分は街の将棋サロンのオヤジになっていたが、黒田興業に商売の妨害をされて困っている近所の者から、なんとかならないかという相談を受けていた。

ラカン「今日、おめえたちに集まってもらったのは他でもない。いよいよおめえたちに命を預けてもらうときがきた」
子分「して、相手はどこの組のもんで!?」
ラカン「うむ、手ごわい相手だぞ。蒋介石といってな、支那大親分だ」
という出だしがカッ飛んでいる現代任侠劇。ねじが飛んでいるのではと思わされるほどに異様にテンポがいいことと、吉田輝雄の偽善者感と、その吉田輝雄のほっぺに顔をこすりつけてぎゃんぎゃん泣く梅宮辰夫のしらじらしさがすごかった。殴り込みのとき、親分にも見ていただくなどと言ってアラカンの死体を戸板に乗せて梅宮・吉田二人で運びはじめたときにはどうしようかと思った。話の支離滅裂感がすさまじく、大木実(アラカンの右腕で長いことムショ暮らしをしていた大兄貴分)はいったい何のために出てきたのかが不可思議だった。

┃ どんぶり飯

吉田輝雄谷隼人の妹が勤めている定食屋でどんぶり飯をモグモグしている。吉田輝雄、そんなに食うか? と思うほどのでかいどんぶりだった。
この下町の定食屋は『トラック野郎』のドライブインのような賑わいを見せており、楽しそうな店だった。