大衆映画食堂

昭和の日本映画に登場する食べ物たちの記録

『フレッシュマン若大将』ビール・ハンバーガー・スパゲティー、かきもち、ネスカフェのコーヒー、ケーキと紅茶、田能久で一番高い肉、ラー油、インスタントラーメン、狸小路のラーメン

フレッシュマン若大将 [DVD]
フレッシュマン若大将

日東自動車の役員面接に行く途中、老紳士と若い女性がタクシーを捕まえるのを助けた若大将(加山雄三)は面接時間に大遅刻。やっと着いた試験会場では面接官の心証も悪く落とされそうになるが、若大将がロビーでたまたま話した紳士が猪俣社長(藤田進)で、素の若大将を見初めた猪俣社長は彼の合格を決めてくれる。こうして晴れて日当自動車に入社した若大将だったが、実家では妹・照子(中真千子)と江口(江原達怡)の新婚カップルがアツアツ新婚さんライフを繰り広げていたため、居づらくなった父・久太郎(有島一郎)は家にいつかなくなり、美人ママ(草笛光子)のいるクラブ「ジャッキー」へ入り浸っていた。というか、バイトになっていた。皆から最近不真面目だということを責められた久太郎は、店主のくせに店をやめると騒ぎだすが……。


若大将、社会人になるの巻。
だれていた大学編後半から一転、かなりおもしろい。お父さんの恋と青大将の活躍が見物。出番はちょっとしたものだが重要なアクセントになる役に左卜全藤木悠藤岡琢也などの盤石俳優陣が配置されており、脇役に力が入っている若大将シリーズならではのサイドストーリーの面白さが堪能できる。


┃ ビール・ハンバーガー・スパゲティー

愛娘・照子が江口と結婚してしまい、悲しくてたまらないお父さん。新婚旅行に旅立ったふたりを見送ったはいいがいてもたってもいられなくなり、繁華街をうろうろしているところを若大将&青大将と出くわして、彼らにクラブ「ジャッキー」でご飯をごちそうすることに。
ジャッキーで彼らが注文するのがビール(お父さん)、ハンバーガー・スパゲティー(若大将)。青大将が何を注文したか忘れてしまった。ピザだったかな? そんなファミレスみたいなメニュー、クラブで出してもらえるのかな〜と思ったら、結構がっつり系のメニューも調理できる設備があるらしく、ちゃんとオーダーが通ったのであった。
また、江口と照子の結婚式のシーンではウエディングケーキ入刀っぽいシーンがあったと思うが、ロングショットだったのでよくわからなかった。

┃ かきもち

新人研修で工場勤務の合宿に行っている若大将。仕事が重労働のわりに寮のごはんが少なくて、同室のメンバーはみんなおなかぺこぺこ。
メンバーのひとりが田舎から送ってきたかきもちを持っているけど、焼かないと食べられないと言うと、若大将はアイロンを取り出して来て、机の上にひっくり返して固定。スイッチオンにしてアイロンの裏にかきもちを並べ始める。しかし残念ながらそのタイミングで寮が停電になり、かきもちは焼けずじまいになってしまうのであった。
このシーン、てっきりブレーカーが落ちたのかと思ったよ。

┃ ネスカフェのコーヒー

合宿を終え、実家へ帰ってきた若大将。部屋に戻ると自室は新婚さんのメルヘンな寝室に改装されていた……。
江口が照子に「お兄様にコーヒーを入れて差し上げてv」などと言うので若大将はコーヒー(と言ってもネスカフェのインスタントの安いやつ。エクセラかな。)をごちそうになるが、「あなたから先に飲んでv」「ぼく猫舌だからv」「じゃあふーふーしてあげるv」とコーヒーひとつ飲むのにでもいちいちいちゃつく江口&照子に、若大将は口があんぐりになってしまうのであった。
このときの赤いコーヒーカップのセットがとてもかわいいのだが、ネスカフェ製品を買うとついてくるカップと似ているので、もしかしたらコーヒー会社提供のものなのかも。

┃ ケーキと紅茶

藤原課長(藤岡琢也)に同伴しての得意先まわりで、大口顧客・東西モーターズの新任の副社長を訪ねると、なんとそれは青大将だった。パパに頼んでパパ経営の会社のうちの一社の副社長にしてもらい、留年になった大学は中退しちゃったんだとか。
そんな青大将はケーキと紅茶を持って来た女性社員のお尻を触り、ケーキと紅茶を頭からぶっちゃかされてしまうのであった。さすがである。

┃ 田能久で一番高い肉

会社の独身寮に入っていた若大将が久々に実家へ帰ると、お父さんは忙しいときでも店を手伝わず、「ジャッキー」に入り浸っていることが判明。それどころか田能久で一番高い肉を勝手に持ち出し、ジャッキーで鉄板焼きを作っていたのである。それを家族一同に怒られて逆切れ、「私の人生を店の看板に縛られたくない!」とか言い出して家出する。

┃ ラー油

というわけでジャッキーへ入り浸り、ついにはママに「大切な話がある」プロポーズしようとするお父さん。
ところがママは質屋を経営している常連客の老人・左卜全と婚約していた!!! 大ショックのお父さんはしどろもどろになってしまい、おつまみについてきたディップ用ラー油(ショットグラスに入っている)をお酒と間違えて一気飲みしてしまうのであった。

┃ インスタントラーメン

ショックを受けたお父さんは、若大将の下宿先(会社の独身寮)に泊めてもらいに来る。しゅんとしているお父さんを慰める若大将は、部屋に置いていたお酒とインスタントラーメン(調理せずにまるのまま)を振る舞うのであった。インスタントラーメンをかじったり舐めたりするお父さん、かわいい。

┃ 狸小路のラーメン

青大将の会社(東西モーターズ)の主要取引先で日東自動車の製品を多数納めている北斗観光から、日東自動車の製品に事故が多発したから契約を打ち切りたいという連絡がくる。青大将と若大将は北斗観光のある北海道へ飛び、契約破棄の見直しお願いと調査をしに行くことに。
若大将は北斗観光社長(高田稔)の娘・みどり(長慶子)のおもり等で大変なのだが、青大将はちゃっかり北海道観光。狸小路ラーメンを食べたそうです。