大衆映画食堂

昭和の日本映画に登場する食べ物たちの記録

『殺し屋をバラせ』牛乳、さつまいも、尾頭付きの鯛と赤飯、焼きそば

殺し屋をバラせ

プラモ屋の主人・阿久根(峰岸隆之介)は実は凄腕の殺し屋である。彼は裏社会の大物・リンの殺害依頼を受ける。リンは神戸の大邸宅にここ半年ほど籠って外出していないという。阿久根はゴーゴー喫茶で見つけた左官屋の青年・酒井修を誘い、現地で居抜きで左官屋を借りて作戦の準備を始める。ところがサヨ(益田ひろ子)という小娘が酒井にひっついて一緒について来てしまったため、3人は奇妙な同居生活を始めた。彼らはチャンスを待つが、リン邸の警備にはスキがなく、焦る酒井。そんな彼に、阿久根は「雨の日」を待つと言う。そしてついに雨が降りそうな日が来た。天気予報では夕方から関西は大雨。阿久根は酒井を伴って外出、サヨは市役所を装って左官屋に片っ端から電話。そして、阿久根と酒井はヘリでリンの邸宅の上空を飛んでいた……


渋い殺し屋映画。
華々しい殺しのテクニックを見せるのではなく、殺しを遂行するまでの計画性、その過程をじっくり見せていくという趣向。

┃ 牛乳

ゴーゴー喫茶で暇を持て余す青年・酒井修に目を付けた阿久根は、翌朝、公園のベンチのような場所で酒井に瓶の牛乳をおごりながら、仲間にならないかと誘う。

┃ さつまいも

神戸に乗り込んだ阿久根らは望遠鏡でリンの邸宅を監視しつつ、チャンスを伺う。朝のミーティング(?)では阿久根・酒井がさつまいもっぽいものをかじりながら、監視の経過報告。用心棒が毎朝出入りしていることなどを確認する。

┃ 尾頭付きの鯛と赤飯

そしてついにチャンス「雨の日」がやってきた。阿久根と酒井がヘリから屋敷に“爆弾”を落として屋根を破壊し、サヨはその間に市役所を装って市中の左官屋に建築法改正にかかる説明会をするので至急集まってほしいという電話をかける。するとどうなるか? やがて雨が降り始めると屋敷は大雨漏り、あわてて左官屋に修理依頼の電話をかけるがどこも外出中でつながらず、唯一つながるのが阿久根の左官屋。サヨは屋敷からの電話に「準備が出来次第参ります」と答え、阿久根らは修理の下見に屋敷へ入れるというわけ。この段階ではまだまだ下準備、本格的な作戦準備は翌日晴れてからの「屋根工事」である。
そして「屋根工事」そして屋敷への侵入の本番の日。サヨは阿久根の命令で先に東京へ帰ることになる。
このときサヨが二人に用意していった食事が、尾頭付きの鯛(焼いたもの)と赤飯。赤飯がなぜかチャーハンのように平皿に丸く盛られているのがカワイイ。

┃ 焼きそば

実はリン氏親子はさらなる悪人・渡辺文雄によって屋敷内の牢に閉じ込められていた。状況を悟った阿久根は彼らを助け出し、逆に渡辺文雄を暗殺しようと計画する。
屋敷を脱出した阿久根・酒井は、助けに入ったサヨと共にリン氏の招待を受け、中華料理屋らしき場所で食事をしている。このときサヨたちが食べているのが焼きそば……のようなもの。ソース焼きそばには見えなかったので、五目焼きそばだろうか?