大衆映画食堂

昭和の日本映画に登場する食べ物たちの記録

『散歩する霊柩車』毒入りビール、睡眠薬入りのお茶


散歩する霊柩車

しがないタクシー運転手・西村晃はグラマー女房・春川ますみが若い男と浮気をしているのを知ってプッツン。思わず首をギューしてしまう。が、西村は春川の提案で彼女を死んだことにして、霊柩車で彼女の愛人の会社社長、医師の勤務先へ乗り付け、女房は浮気を詫びて死んだと言い立てる。びびりまくった会社社長・曽我廼家明蝶からまんまと500万円をせしめるも、実は春川はもう一人の愛人である医師・金子信雄と共謀して西村から金をねこそぎ巻き上げようとしていたのだった。ところが……

┃ 疑惑のビール

山の上ホテルで落ち合った春川ますみ金子信雄が、西村晃から無事500万円かすめ取ったのを祝してビールで乾杯。ところが金子信雄春川ますみのグラスに何やら粉薬をサーッと流し込んでいる。金子信雄、実は春川ますみを毒殺して250万円ずつの分け前のところを500万円全額頂こうというハラなのだった。隣室からそれを覗いていた西村晃がボーイのふりをして乱入、すんでのところでビールを飲まずに助かった春川ますみ。ビールは熱帯魚の水槽に流し込まれ、熱帯魚がバタバタするのであった。
毒入りの飲み物が偶然にしろわざとにしろ水槽に流し込まれる映画ってたまにあるけど、あれって本当に魚を殺しているのだろうか。本作は熱帯魚がバタバタする描写のみ(水槽をたたいて興奮させた程度)だったが、たまにホントに魚が浮かんでくる映画がある。麻酔薬か何かを使っているのだろうか。
なお、ビールの銘柄はよくわからなかった。ルームサービスで頼んだと思しきビールの大びんと、客室備え付けっぽいガラスコップを使用していた。泡が消えたビールはまずそうだった。

┃ 睡眠薬入りのお茶

この後自宅に帰った西村晃は、春川ますみお茶睡眠薬を盛られるのだが、それに勘づいた西村晃は飲んだふりをしてかわすのであった。